尾瀬沼ヒュッテへ

 
前夜、別れを惜しんで笑顔で別れた。
4年くらいの月日は長いようであっという間でした。
懐かしい秦野を後にし、電車の中で涙を堪えました。
あの気持ち、彼が最後に見せたあの表情は忘れないでしょう。
 
新宿から夜行バスで尾瀬へ向かいました。
いわゆる乗り合いバス。
寝るにはちょっと狭苦しい感じのバスだが、空席があったので隣に座った人がずれてくれた。
 尾瀬で働いていけるかどうか?
少し不安を抱えバスに揺られて、ワクワクした気持ちと入り混じりながら
次第にウトウトしていました。
 
 
バスは朝方の4時頃に大清水に到着。
まだ、出発するには薄暗いし眠かったので寝袋を出して仮眠を取りました。
 大清水で標高1190m
なかなか冷え込んでいて寒くてあまり眠れませんでした。
 しばらくすると賑やかな年配の人の声がしてきて、どうやらツアー客のよう。寝袋に潜っていた私は煩さに仕方なく起きました。
寒さで冷えた体に暖かい紅茶を飲みながらのんびり仕度です。
パンパンに生活用品を詰めたザックを背負いました。
気分的にはまだワクワクしていたので重さは気になりませんでした。
適当に写真を撮って「さて、行くか!」
ゲートをくぐり、しばらく林道を歩きます。
数分で林道が二股に分かれます。
大清水は片品川流域沿いにあり、この林道から先は中ノ岐沢に変わります。そして右手へ行くと小淵沢という癒し系の沢を遡行できる方面へ向かいます。この小淵沢も期間中行ってみようと計画を練っています。
尾瀬沼方面へ左手の林道、沼田街道を進みます。





 

尾瀬入山日はいいお天気でした。新緑がまぶしかったです。
沼田街道をてくてく歩いてると、途中、沢が3本程林道沿いにあります。
トマブドウ沢、中ブドウ沢、沖ブドウ沢と通過していきます。
森はブナ等の広葉樹が多く緑豊かです。


 

やがて背中のザックが重々しく感じてきます。
一ノ瀬休憩所です。
数人の登山客が休んでいる所、大きな荷を下ろすと年配の方に、
「凄い荷物ねー。テント?」と聞かれます。
「いえ、これから小屋で働くんです」
 
ザックを下ろしたら肩が開放された。
ここまでで標準コースタイムは往復2時間ですが、
やがて何度もここを通るようになって1時間で往復出来るようになったのでした。
 
一ノ瀬橋から見下ろすと大きな沢が見えます。雪解けでどうやら水量多いです。
この沢から入渓できる沢がセンノ沢です。尾瀬に居る間に行けたらと考えています。
ここから先は登りになります。気合を入れてザックを再び背負い歩き出しました。
 
左手にはずっと沢の音を聞きながら、時折チラリと見える滑滝を見ては興奮です。
 
ナメ沢の2段の滝
 
木道と階段となって登りです。
 
太い幹のブナも多くて新緑に癒されますが、階段のため
なかなか重荷ではシンドイです。
やがて岩清水に到着。
湧き水が出ている所で休憩しました。
岩清水のキンキンに冷たい水に癒されてちょっと復活。
水筒にも入れ込んで数分休憩してから三平峠までノンストップで歩きました。
 
どんどん標高を稼ぐと眺めがよくなってきます。
新緑がきれい。
 
つづら折に登っていく登山道で、階段続き。
上りきると少し緩やかになって木道が現れます。
三平峠手前から残雪が出てきて、アイゼンなくても大丈夫だろう。と、
思って持ってこなかったのはなんだか失敗だったような気がして。
気をつけながらいかにも滑りそうな残雪を越えていくと三平峠到着。
 
 
三平峠 1762m

さすがに肩がもう痛い。痛い。と根をあげていました。
ここで休憩とちょっとおにぎりモグモグ。
 
この先からほとんど雪になり、滑らないように気をつけながら
慎重に尾瀬沼へ下り始めます。
下っていくと樹林の隙間から沼が見えてきて、やがて燧ケ岳も見えてきました。
 
11時頃、尾瀬沼山荘に到着。
予定していたヒュッテ到着時刻を過ぎちゃったのでノンストップで尾瀬沼ヒュッテに向かいます。
 
日当たりのいい場所は雪がありませんでした。
 
尾瀬って感じ。ミズバショウも沢山咲いてました。
 
展望のいい場所では燧ケ岳と尾瀬沼がきれいに見えました。
残雪の燧ケ岳いいですねー。
 
 
途中、沢の水がとっても綺麗♪ 

木道沿いは水芭蕉が沢山咲いていて、尾瀬って感じにヒタスラ感動しつつ、
小走りでヒュッテはまだか?と思って歩いていたら、、、
 
 
尾瀬沼ヒュッテ見えました。
ヒュッテ前に女性が居たので話しかけたらそれが一緒に働くカナちゃんだったwww
そして支配人のトヨさんが現れて
「おなかすいてるか?カレーだけど食べるか?」と聞かれた。
「はい。食べます。」
 こうして尾瀬沼ヒュッテへ向かって、なんかいきなりカレー出されて、
「足りなかったらおかわりするか?」と副支配人のアナさんに言われた。
なんか、すでに帰りを待っててくれた家族のような歓迎を受けたのでした。
 
最初に案内された部屋はここだったけど、なんだか広くて落ち着かなくて
やがて狭い部屋に移動したw
午後15時から仕事が始まるそうで、本当は休みでよかったみたいですが、
さっそく働きました。

こうして尾瀬勤務の為の入山日は過ぎていった。
これから数ヶ月ここが私の住処となるのでした。

コメント

人気の投稿