四十八瀬川水系 勘七ノ沢で3つのラッキー♪


朝、起きると家の窓から見る丹沢は三ノ塔がよく見える。
山沿いの雲は今にも雨が降りそうな程の黒い雲が広がっていた。
今日の天気予報は晴れ&夏の気候が戻ると聞いていた。少し不安に思うも当日は早い時間から秋晴れが広がった。空の色はコバルトブルー。
水は冷たく、そろそろシャワーな沢登りも終わりだろうか?と感じた日だった。


浮雲でのHPにて「丹沢の沢10選」http://www.geocities.jp/g_ukigumo/tanzawa/tanzawa.htmlという企画の為、その取材に協力してきた。
今日はSさんと二人で勘七ノ沢へ向かう。
県民の森に駐車し二俣を目指すと、堀山の家へ登りつめる登山道を少し歩く。
てっきり私は二俣の橋のかかる沢を歩いていくのだと思っていた。
スタスタ経路を歩くと黄色いテープの目立つ看板があり、沢が流れる。沢の上流側に目をやると沢が右に曲がって、滝がかすかに見える。ここが小草平沢の入口。 沢を下流に歩き、右へ大きくカーブすると奥に滝が見えた。
すぐ勘七沢のF1だった。
二俣から沢を歩くと堰堤があるのでそこをショートカットで入渓。
見た目、容易に登らせてはくれ無そうな滝に早速緊張とワクワクする。

F1
勘七ノ沢も水無川本谷のようにフォールナンバーのプレートがある。
まったく奇妙なものだと毎度思う。
F1は左から取り付く。残置スリングがありそれに掴まり体を引き上げて登った。
あのスリングが無いと簡単には登れないだろう。でもそのスリング、リングが取れたボルトに付いてたので内心怖かったw 「ロープを出すか?」と、聞かれるがいらないと答えた。
ロープばかりに頼っていると度胸と慎重さが身に付かないので一歩、一手と慎重に登った。
時間がかかり過ぎて遅かったかもしれないがw
F1の滝は最初の出だしがいやらしいが、落ちても釜へドボンなので怖がる必要はない。

F2
続くF2は右側の脆い壁を登った。
細かいホールドは浮いていたものが多かったが、大きく出ているホールドはしっかりしていた。
高さと岩が脆いのでここは補助ロープで確保しつつ超える。

F3
F2上すぐ見える堰堤


F2を越えるとすぐ堰堤が現れ、踏跡のしっかりした巻き道を歩く。
続くF3はぐるりと淵をトラバースし右側から登った。
少し歩くと白いナメ床が出てくる。表丹沢で白い岩があるのは珍しく思ったけど。
私が知らないだけか?
沢が右へ曲がりF4が現れた。

F4
2段の滝で、右側から登攀。前衛の2m滝はホールドスタンスがしっかりある。
棚の上に登ってみると今日は水量が多い為、なんだかシャワーになりそうと登るのを嫌がった。
そして、右から巻こうとするが岩に阻まれ、巻けないwww
懸垂下降でまた沢へ戻るwww


F4の上部、右側の窪みを登れる
F4の上部の滝は右側の窪みから登るのだが、大きく巻くことにし沢を少し下る。
かなり手前を右岸から巻いてF4滝の落ち口に戻れた。
結局上から確認してみると、トラロープがあった。
登った方が楽だったかも?と思うのであったw
小滝があり沢を歩いているとやがて堰堤が5つ出てくる。
ここは興醒めしてしまう部分だが、すき透る透明な水が綺麗で印象的だった。


F5
「F5はリードしてもらいます」そう、言われてた。F5に到着し、緊張が高鳴る。
事前にkamogさんの遡行記録を拝見し、支点の確認をしていた訳だが実際ヒヨりまくりでしたw
左から取り付きフォールナンバーの付いてるあたりのバンドをトラバースするのも岩が少しせり出していてまず緊張www
Sさんには「ホールドはしっかりあるから簡単な滝だから」 と、言われる。でも、ビビッてる私。。。中間支点にリングが回るやつがあると分かっていたので、次の支点へ行くまで緊張した。てんぱり気味でスリングの縫い目部分が上手く下へ行かず、何度もタイオフで通す。
てんぱってるー。と自分でも分かって焦る。 後でダメ出しされたが、たるみ無くきちんと閉めなくちゃダメだったし、タイオフしないで二重掛けでもよかったらしいw
支点は2mくらいの間隔であったのですべて使う。残置スリングがあるが伸びる。。。これを支点にするとフォールした時切れたらヤダなと思って自分のロープスリングを利用する。 なんとか滝上へ登った。確かに難しい滝ではないと思うがヘタレの私にはスリリングなリードであったw 
安堵する間もなく迅速に確保支点を作らねば!と滝の落ち口に支点があるのは分かってたので探すが。。。ないww
周囲を見上げ立ち木も見るといい物が近くにないw あたふた、どうすっべ?と関係ないスリングを出したり数秒過ぎる。よく探すと支点が水の中に隠れていた!
どうやら、今日は水量多かったから隠れてたようです。。。(汗
普段ここまで水があることなんて希なんでしょうかねぇ?!
念のためバックアップを取ってセカンド到着。 ホッとしたwww 
私はビビると水から逃げる癖があるようだ。
今度はもっと積極的に水へ突っ込み安全なルートで挑まないとね。
その後も小滝が続いて、楽しい楽しいゴルジュへ到着。

ゴルジュ
勘七のゴルジュは明るい。
最初からステミングで越えていく所が楽しい♪
つっぱりって怖いし、股関節にきますけど(体固いから)楽しいんですよねー。
ゴルジュの終わりには壊れた堰堤がある。
右から登ってみたら中段あたりでなんだかツルツルしており足がかかってる気がしないので、へたってしまったw
ここでお助けロープを頂く。
沢沿いにはダイモンジソウが咲いていた。
沢は傾斜が立ってきて足を上げて沢を登って行く。
登るなぁ~と思って今日は体がなんだか重くてヒーコラ出遅れた歩きをしていると、
1070mで沢が二俣に分かれます。
沢は左の方が低く、水量も豊富なので当然左の沢が本流だが、通常右のガレた沢へ入って花立を目指すようだ。
昔の沢のガイドブックを見ると左の沢は「沖ノ左俣」という名前が付いている。勘七ではないという事か??
実際に見た目、とても右へ入るようには思えない雰囲気ですが、我々は左に進路を取った。
その後も小滝とゴーロが続き、標高を稼ぐ。
水量は豊富で飽きさせない。少しシャワーの滝を越えたりだ。
沢には水に濡れまくるイワシャジンが咲いていた。
ふと見上げると空が青い。絵の具みたいになんて青いのだろう?というくらいのコバルトブルーだった。

ガレた沢を右手に見送り、まだ詰めるには早いだろうと思うが気になるルンゼがあった。
なんだか踏み跡があるよう見える。1180mあたり左手に大きなガレを見送り、右手に私たちが取り付いた小さなルンゼとすぐ隣に大きなガレがあった。
確認すると人が登った形跡は無かったが、ちょっとしたザレを登ると尾根に乗った。
ここにはイワシャジンが沢山咲いていた。「歩きやすい」そう言っている。
私も出遅れながら後についていくと歩きやすい上に踏跡が明瞭な獣道だった。
その獣道を辿り、忠実に尾根を登って行くと背丈の低い笹が出てくる。
後ろを振り向けば景色が素晴らしかった。
朝方まで雨が降っていたから遠くまで景色が望めた。
こんなに景色が澄んでる事って今まで見たこと無いw
朝方見えた大きくしっかりした虹とこの景色に青い空は今日のラッキーだった♪♪♪
斜度はあってもいたって登りやすい。
登って行くと蛭ヶ岳も見えた。
秋になると丹沢のあちこちでよく見る花、リンドウ。
前方には塔ノ岳が見える。
改めて高いなーwなんて思ってしまうwww
蛭ヶ岳と稜線の眺め素敵。
草原からの丹沢と秦野市街を見下ろせた。
丹沢でこんな詰めが経験できるとは思わなかった。
草原を登って行くと登山道へ出た。1370mピークだった。
10分も歩かず金冷シへ到着した。
鍋割山稜への登山道を歩く。平日なので静かな登山道であったが、数名の登山者とすれ違う。
先ほど詰めあがったピークが登山道から確認できた。
下山は小丸尾根で下った。
小丸尾根へ入る手前の草原は気持ちがいい場所で丹沢の中でもいい場所だと思う。
表尾根はこうゆう眺めの良い場所が多い所が魅力的だよね♪
本当に今日は空が澄んで遠くの景色まで見えた。

花立山荘と大倉尾根もよく見える。奥は木ノ又小屋に三ノ塔と大山。
久しぶりの丹沢って感じだった。
小丸尾根をてくてく歩いて 二俣の橋で休憩したらヒルがニョーンと私のスネを登ってきた。
やっぱり林道にいるのかな?ヒルには塩を送らせて頂いた。
それ一匹見ただけで今日はヒルは見なかった。


滝のリードは手際が悪いのはやはり岩登りをあまりしてないせいもあるだろう。
私は色々と未熟な事が多い。
計画書の作成部分についてもどうゆう所を登るか?
トラブルや何かあった場合どう対処するか?
その際に必要最低限な道具は何なのか?
自分で調べること、把握すること。
山に行くには当たり前に予備知識が必要なんだと改めて思い直したのでした。

勘七はガイドブックのグレードでは初級上とある。
確かに滝をすべて登ると初級にしてはそんなには優しくない。
沢は途中は堰堤があるのが残念ではあるが、滝場はどれも登りがいはあるし、適度な高さの滝が丁度よく出てくる。
明るい沢と明るいゴルジュ。
あのゴルジュだけでも勘七には遡行価値がある沢だと思いました。
そして何よりアプローチが近い上に下山路が多いことが人気の沢の言われだとしみじみ感じた。

最後にF5で、セカンドが登ってくるときに私の青いロープスリングを残置してきてしまった。
5mmスリングであるが、強度的には6mmくらいないと切れます。と指摘された。
どうしても支点に入らないときに仕方なく細いスリングを使う場合はあるが、
基本は切れると思っておいた方がいいらしい。
誰か勘七行ったら信用しないで使わないでねw
家に帰って気づいたが確かあれ、芯抜きしてるヤツだったような気がした。。。w


〔追記メモ〕
指導指摘あり、F5でのリードにてロープを登る際に右側にロープがありそのままクリップするのは危険との事。
体にロープが絡まる。
股の間からロープを引くのも危険。落ちたときに危ないそうだ。
なるほど。気をつけなくては。

コメント



  1. 白い花はダイモンジソウだと思います。

    今回の勘七ノ沢は、いつもより水量が多いですね。
    今から40数年前の学生時代に山岳会の人達とフリーで登ったきりです。この時は、必至で登っていたので、それぞれの滝の記憶がほとんどありません。当時は、滝№のプレートはなかったと思います。

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    返信
    1. yanajinnさん、おはようございます。

      ダイモンジソウですか!
      ありがとうございます。
      40年前の勘七だと今と違うでしょうねw
      今回、同行者は8年振りだと言ってました。
      記録は詳細に記載していると後で読み返す時にいいそうです。

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