ひなぎく / SEDMIKRASKY

1966年 チェコスロヴァキア
監督:ヴェラ・ヒティロヴァ
出演:イヴァナ・カルバノヴァ、イトカ・チェルホヴァ

自分たちのしたいことだけを徹底的に楽しむ姉妹の姿を、かくもポップに描き出すということは、東欧にかぎらず60年代では、それだけで“体制への反逆”であった。ヒティロヴァ監督はその後、'69年から7年間にわたる活動停止を、チェコ政府から強いられた。グラビアを切り抜いているうちに互いの服も切り始め、そのうち画面までバラバラになってしまうのは愉快。色ズレ、様々なオブジェ、シュールな効果音……、ゴダールより先を行っている。そして、金持ちの宴会に忍び込んでさんざん喰い散らかし、食べ物で遊んだ挙げ句、唐突にEND。最後に出る字幕にヒティロヴァの訴えは現われている。“踏み潰されたサラダだけを可哀想と思わない人々にこの映画を捧げる”。なお、題名のひなぎくとは、チェコの花言葉で“貞淑”を意味する。

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